べっ甲の製作過程
原料選び
今ではタイマイが少なく、「端材」と呼ばれる小さなタイマイも取って置き(昔は処分していた)それを合わせていわゆる「板」を作ります。
昔も、タイマイの甲羅1枚1枚の厚みは薄いため、(厚いところでも数センチ)貼り合わせて厚くして接着(万力で接着)し、「板」を作ります。
張り合わせ
何枚かのタイマイを柄を考えながら貼り合わせます。
その際、「だめとり」といって、重ねる部分を平らにし、隙間をなくすようナイフで削ります。
さらに、ペーパーかけをして面を平らにし、確実に接着できるようにします。
万力打ち
はじめに、鉄板をバーナーで熱します。一応電子温度計がありますが、職人は水滴を鉄板に落とし、弾け方で温度を見極めます。
適温になった鉄板に新聞紙やベニヤ板を挟め、張り合わせた原料を置き、圧力をかけます。
この技法は、べっ甲では当たり前ですが、もっとも難しい職人技のひとつとされ、熟練した職人は、水と圧力だけでタイマイを接着します。しかし、未熟な職人は水と圧だけの接着はできず、接着剤を流し込み接着するのだそうです。
その原料の厚みや部位(*べっ甲の種類をご覧ください)で時間や温度を調節し、見事な一枚板にすることが出来ます。
デザイン起こし
デザイン画を紙に描きます。
切り回し
(注意 他のべっ甲細工の時の写真です)
デザイン画を原料に貼り、周りを糸鋸で切ります。
彫刻
彫刻刀やルーターを使い、図案に沿って彫刻します。
磨き
磨きは、バフ研磨と呼ばれ、いろんな工業で使われる、いわゆる「目の粗い」ものから順に「目の細い」ものに変えながら磨いていく。
べっ甲では、その際二つのものが使われる。
一つは、火山灰。これは細かい粉で今では鍋磨きにも使われるほど。
そして、仕上げはロウである。
◎火山灰
◎ロウ
◎ペーパーで研磨する
◎最後の仕上げ磨き
べっ甲の琴爪の製作過程
この動画を見ていただけると上記の説明がよくわかります。
※※※※→その他の制作過程の動画もご覧ください