べっ甲の種類

「玳瑁亀図説」を参考に

玳瑁の甲は十二枚でつくられており、この一匹の亀の甲十二枚を木綿の赤紐で一連にくくり、これを一提といった。この一捏十二枚は次のように分類されている。

一、襟甲 俗にトムビ甲という。他の甲より肉薄く色合やや劣る。(黒斑)
一、肩甲 鮒甲ともいう。トムビ甲の下にて厚く、色合トンビ甲と同じ
一、背甲 背の中の甲、肉中分、色合きはめてよし (赤斑)
一、大甲 俗に量甲という 鮒甲につずきイテウ甲の上にあり 襟と尾の真中にあり、肉合中分、平均してのび、色合きわめてよく、価も高し (赤とろ十斑)
一、銀杏甲 尾の脇の甲左右に相対す 亦ヤキメシ甲ともいう。色合量甲につぐ(赤斑)
一、背量甲 背通り五枚の終り 肉合きわめて厚く 色合銀杏甲に次ぐ(うす黒の斑)

この他に玳瑁については玳瑁爪と玳瑁の服甲がある服甲は玳瑁の腹の甲であるが驚くほど高価であるといっている。現在でも服甲は高価であるという。それは一般に好まれる飴色べっ甲と称するものが、多くこの部分からつくられるからである。


本ツメ、バサツメ、腹甲、本甲(ほんこう)

タイマイの甲羅
腹甲

画像の説明

タイマイの甲羅は、全部で14枚。その部位で呼び名が変わる。
職人言葉で、爪(甲羅の淵)、腹甲、本甲(背中の甲羅)と呼ばれ、
爪も本ツメ(尻尾の4枚)・バサツメ(本ツメを除く淵の甲羅)と呼ぶ。
背甲は、黒い部分が多くなるが、これは甲羅が日光に当たるためである。腹甲や爪の裏は日光が当たらないため、黒い部分はほとんどなく飴色(黄色)になる。

背中の爪600p

タイマイの爪600p

おさ600p

(※おさ・・甲羅の継ぎ目に出来る筋)

べっ甲は昔より飴色が好まれ、出来る限り黒い部分が少ないものを求める傾向にあった。その結果、飴色(黄色)が多いほど高値で取引される結果となったのが今日まで引き継がれている。


カリブ海産と東南アジア産

タイマイの歴史でも少し書いたが、産地別でその甲羅の色が違ってくる。
カリブ海産のタイマイは比較的飴色をしており、高価で取引されていた。
それに比べ、東南アジア産のタイマイは、色が黒くカリブ海産より安値で取引されていた。
一部の研究では、食べるものの違いで甲羅の色に違いが出るとも言われているが定かではない。
カリブ海のタイマイは海草をおもに食し、東南アジア産は小魚をよく食するからとの意見もある。
実際、カリブ海産と東南アジア産は見れば一目瞭然である。

カリブ海産と東南アジア産
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上甲(うばこう)・中甲・並甲

タイマイは、産地別、部位別でわけられるが、さらに上甲、中甲、並甲【上茨(じょうばら)・中茨(ちゅうばら)・並茨(なみばら)】とも呼ばれ、区別される。

上甲・・甲一面に飴色が多く、斑(もく)の部分(黒色)が少なく表面に傷や貝殻付着(かきぶせ)がないもの
中甲・・飴色と斑が半々にあるもの
並甲・・斑の部分が多く表面に傷あり

◎並甲・・黒い部分が多い

並甲400

◎中甲・・黄色と黒い部分が半々

中甲400


べっ甲の値段

べっ甲製品は、大変高価でそれは現在も同じである。
兎に角、原料が高いということと、製品になるまでの工程が複雑で熟練した技術が必要なので、当然高価になるのである。

1 産地による違い
  カリブ海産>東南アジア産
2 部位による違い
  本ツメ>腹甲>バサツメ>本甲
3 見た目の違い
  上甲>中甲>並甲

という原料自体のことと製品を製作するにあたっての技法などでその商品の価格が決定される。

カリブ海産の本ツメの上甲(厳密にいうと、本ツメ自体が上甲になるが・・)が最高の原料となる。

現在(平成25年)の価格で、飴色のメガネフレームを作ると最低でも200万円は掛かるといわれるくらい高価なのがべっ甲である。