べっ甲に関するニュース

雑種ウミガメの産卵初確認 純粋種の保存に影響も

2013/06/28

鹿児島県・奄美大島の龍郷町の砂浜で、アカウミガメとタイマイの雑種が産卵しているのを確認したとNPO法人「日本ウミガメ協議会」(大阪府)などが28日、発表した。ウミガメの雑種の産卵が確認されたのは日本では初めて。専門家は「純粋な種の保存への重大な脅威だ」と心配している。

出展:47NEWS(リンク切れ)
※ウミガメの雑種に関する報道について

6月26日夜に奄美大島龍郷町の海岸にて、当協議会の石原孝研究員がアカウミガメとタイマイの雑種と思われる個体の産卵を確認しました。それに関する報道が複数のメディアでなされ、一部、誤解が生じていますので、ここに説明させていただきます。
 まず、近年、ウミガメ類の雑種が各地で発見されており、これが人間によって引き起こされている現象ならば、ウミガメ類を絶滅に追いやる新たな脅威とされています。一方、この異種間の交雑が進化学的にも古い時代から起こっているなら、種の成り立ちを考えるうえで非常に興味深いところです。
 今回はF1(雑種第1代)が別の個体と交尾し産卵したわけで、その子供、つまりF2がどのような状態で生まれてくるのかが注目されます。まず、両種の間に遺伝的に隔離されていれば今回の卵はふ化しないと予想されます。しかし、隔離が十分でない場合は子ガメが生まれる可能性がないわけではありません。もし、子ガメが生まれ、さらにその子ガメに繁殖能力があるとするなら、アカウミガメとタイマイの間で遺伝的な隔離が崩れていることを意味し、両種の間に遺伝子の浸透が起こり、この2種が成立しなくなります。
 今回の雑種の発見は、このように、保全生物学上、さらに系統遺伝学上、貴重なものだと言えます。そこで、今回は鹿児島県に許可を申請し、卵を一時収容させていただき、ふ化の確認、さらには、もし子ガメが得られたならその形態を確認させていただきたいと考えています。もちろん、子ガメが生まれた場合は、観察したのち、すみやかに自然に還しヒトの影響が極力ないよう配慮します。
 今回の報道で、雑種だからその子ガメはすべて自然界から除去するような捉え方をされる方がおられましたが、そのような考え方や計画は全くありません。ただし、一部の皆様には誤解を生じさせ不快の念を与えたことに対しては、ここに深くお詫びいたします。
日本ウミガメ協議会 会長  亀崎 直樹
 6月26日にアカウミガメとタイマイの雑種の産卵が確認され、その子ガメは海に返さない方向で検討しているとの記事が複数の新聞に掲載されました。自然に産まれたものを自然界から隔離するという点について、多くのご批判をいただいております。日本ウミガメ協議会としては雑種を排除すべきとは考えておらず、私の不十分な発言により多くの方に不快な思いをさせてしまいましたことを心よりお詫びし、今後の対応について訂正させていただきます。
 現在、卵の大半はふ化後そのまま海に向かうことも可能なように、産卵されたままの状態で砂浜に残しています。今後の卵と子ガメへの対応につきましては、自然な形で海に返すことを前提としてまいります。
 今回報道された見解は私個人の迷いを含んだ意見のひとつであり、その背景として雑種は人の影響で生まれた可能性を意識していました。
 海外の一部地域では産卵しているウミガメの4割が雑種で、交雑はほんの2世代程度(40年~)前から進んできたのだろう、という研究報告があり、その要因として人為的な要因がいくつか上げられています。日本でも同じような状況になっていくのかどうかは検証し続けなければ分かりませんが、雑種の誕生に人の影響があるならば今回の子ガメを自然界に戻していいのかという考えもあると思い発言したものでした。雑種の存在を否定するつもりはなく、人為的な影響も考えなければいけないという思いでしたが、不十分な発言でした。お詫びして訂正いたします。

日本ウミガメ協議会 主任研究員  石原 孝さん



カメの甲羅、正体はなんとあばら骨 理研チームが解明

2013年7月10日

【小宮山亮磨】カメの甲羅の正体は、変形して板状になったあばら骨が、筋肉を押しのけて体の表面に出てきたものであることを、理化学研究所などのグループが明らかにした。皮膚で作られる「殻」ではないことがはっきりしたという。

出展:朝日新聞(リンク切れ)


太平洋から?ウミガメ 秋田沿岸に昨冬以降17匹漂着

2013年07月09日

主に太平洋で生息する絶滅危惧種のウミガメが昨年冬以降、日本海沿岸に数多く漂着し、研究者の注目を集めている。秋田県では死んだ個体を含む17匹が見つかり、そのうち6匹を保護した男鹿市の男鹿水族館は7日、識別番号を記したマイクロチップを埋め込んだ。近く放流し、全国の関係機関とともに生態の解明を進める。

出展: 河北新報(リンク切れ)


ウミガメ屋外へ/浅虫水族館

2013/07/08

青森市の県営浅虫水族館で8日、館内水槽に展示しているウミガメ7頭の屋外プールへの引っ越し作業が行われた。昨秋以来、久しぶりに外のプールに移ったウミガメたちは、夏の訪れを満喫するように水しぶきを上げて元気いっぱいに泳ぎ回っていた。  移動したのはアオウミガメ6頭とタイマイ1頭。大きいカメは体長1メートル超、体重も100キロを超えるため、ダイバーら男性職員5、6人がかりで1頭ずつ館内水槽から引き上げ、台車に乗せて屋外プールへ運んだ。  引っ越しは、13日から始まる夏の特別展示の一環。
出展:http://www.47news.jp/localnews/video/2013/07/post_20130708183650.php


千駄木・べっ甲細工店の「看板亀」、甲羅干しの姿が人気に

2013/05/14

千駄木駅近くのべっ甲細工店「大澤鼈甲(べっこう)」(文京区千駄木3、TEL 03-3823-0038)で飼育されているミドリガメの「亀吉くん」が近隣住民から人気を集めている。

 1956(昭和31)年創業のべっ甲細工老舗の同社は、べっ甲で眼鏡のフレームを職人が作っており、オーダーでオリジナルを作ることができる。べっ甲ブックマーカーや根付けなどアクセサリーも販売。

 「亀吉くん」は店内の水槽で元気に泳ぎ回ったり、晴れた日には甲羅干しをしたりする姿も目撃されており、通りがかった人の多くが足を止める。同社の大澤健吾社長は「べっ甲細工には湿気が必要で、湿度を保つために水槽を設置した。当初は金魚を飼育していたが、14~15年ほど前に息子がミドリガメを祭りで購入し、この水槽で飼い始めたのがきっかけ」と振り返る。

 べっ甲に使えるのは、インド洋など亜熱帯に生息するウミガメ科「タイマイ」の甲羅だけ。ヌマガメ科のミドリガメとは品種が異なり、「亀吉くん」は「べっ甲にすることはできない」という。「今のところ、亀吉くんにお嫁さんを迎える予定はない」とも。ミドリガメの平均寿命は30年前後。当分、亀吉くんのシングルライフが続きそうだ。

 営業時間は9時~18時(土曜は17時まで)。日曜・祝日と第2・第4土曜定休。

べっ甲の耳かき これは手放せない

2010/01/28

筆者にとって「手放せないものベスト3」に入るのが、べっ甲の耳かき。かれこれ10年以上使っている。

 べっ甲は人間の爪(つめ)と同じ、たんぱく質からできている。そのため、ほど良いしなりがあって何ともいえないかき心地。肌に触れる感覚もすこぶる柔らか。特に、これからの花粉症の季節は耳の中までかゆくなるので、肌を極力傷めない、べっ甲の耳かきは筆者の必需品なのだ。

 とはいえ、べっ甲の耳かきを作っているところは数少ない。べっ甲はタイマイと呼ばれる海亀の甲羅から採取されるが、絶滅危惧(きぐ)種のために、すでに輸入が禁止。在庫は限られているので、将来、天然べっ甲製品は消えゆく運命にある。プラスチック製の代替品もあるけれど、上品な艶(つや)や風合い、一つとして同じものはない斑の入り具合など、やはり天然べっ甲にはかなわない。そんな焦りもあって、良いべっ甲製品を見つけると、清水の舞台から飛び降りる気持ちで少しずつ集めている。

 今回紹介した耳かきを含めてかんざしや帯留めなど、貴重なべっ甲製品を購入できるのが、亀戸天神(東京都江東区)の鳥居の脇にある鼈甲(べっこう)磯貝。2009年度東京都優秀技能者(東京マイスター)知事賞を受賞した磯貝實さんと息子さん3人が、江戸から続く技術で一つひとつ丁寧に手作りしている。若手職人たちが日々、技を切磋琢磨(せっさたくま)する姿も好感が持てる。

なにわべっ甲「エスプリマ」(大阪市) 繊細な仕事、若者も知って /大阪

2015/10/30

大阪は、江戸時代から長崎、東京(江戸)と並ぶべっ甲の3大産地。作風は長崎の技、江戸の粋に対し、大阪は繊細、みやびと称される。そんな評価を受けることが少ない大阪人としてはちょっとうれしくなって、製造販売会社「エスプリマ」(大阪市阿倍野区阪南町5)を訪ねた。

 なにわべっ甲はアクセサリーなど小物の製品が多い。繊細とされるのは、透かし彫りなどの精緻な技法による。見せてもらったかんざしは、伝統的な麻の葉模様。六角形とひし形を組み合わせたような幾何学模様だが、中の部分はのこでくり抜かれている。ものすごく細かい作業だ。

 べっ甲はウミガメのタイマイが原料。タイマイは熱帯から亜熱帯の太平洋、大西洋、インド洋に生息している。絶滅危惧種とされ、ワシントン条約で国際的な商取引は禁じられている。このため、現在は国内で蓄えられたものが使われている。沖縄では養殖への取り組みが続く。

 べっ甲をつくるのにタイマイをどうするのか、知らない人が多いのでは? 記者は全く知らなかった。

 生まれて3年以上のタイマイを使うという。甲羅はウロコ状のものが屋根瓦のように重なっている。1枚1枚は薄いのだが、熱と圧力を加えて何枚も合わせ、ある程度の厚みに固める。それぞれ湾曲しているし、模様も違う。それを重ね合わせていくのだ。さらに乾燥させ、彫刻などの細工を施す。途中の工程でも何度も磨き、独特のつやを出す。小さいものでも、出来上がるまで1カ月以上かかる。

透かし彫りのかんざし
 べっ甲というと薄茶色というか、あめ色というか、そんな色が思い浮かぶが、淡い色の方が希少価値があって高価だ。甲羅の中でも色や厚みが薄く、1匹から取れる面積の少ないおなかの方を使っているのだという。めがねフレームなどは丈夫で硬い背中の尾に近い縁の部分を使うというから、無駄はない。

 色の違うものを合わせて模様を作っていく技法もあり、「イモ継ぎ」と言われる。写真下の腕時計はベルトが濃淡2色を互い違いに合わせた市松模様。これも精巧な仕事だ。

 エスプリマの薗田重一社長は「素材それぞれに表情が違い、手作業だけで一から仕上げていくべっ甲は難しいが面白く、奥が深い」と魅力を語る。

つやがあり、美しい製品。ペンダント(中央)や時計(右端)は色を合わせる「イモ継ぎ」、かんざしやペンダントトップには透かし彫り、ネックレス(左端)は水紋の技巧が施されている
 一方で「おばあちゃんが使うイメージが強い」のが悩み。若者向けのデザインや値段のアクセサリーも作っている。甲羅の中に海水が入り込んでできる波模様「水紋(みずもく)」を生かした製品は、モダンでおしゃれだ。薗田社長は「若い人にべっ甲のよさを知ってほしい」と話す。

 べっ甲細工の技法は、世界でも類を見ないほど発展してきた。だが、べっ甲は需要が減り、職人さんも大阪では約20人だという。一方、絶滅の危機にひんするタイマイの保護も大切だ。誇れる技に触れ、どうしたら伝承していけるか考える人が増えれば、と思う。【亀田早苗】